高齢化社会と人間ドック

人間ドックの目的は病気の早期発見と病気の予防の二つです。日本人の死亡要因の中でも毎回上位にランクインしているがんは治療が遅れると患者さんの命を奪う恐ろしい病気ですが、医学が進歩するにつれて初期のうちや前がん状態の時に発見して適切な治療に取り組んでいけば完治することが可能ですし、患者さんの心身に負担をかけずに高い治療成績を出すことが出来る治療法もどんどん研究されています。つまり自分の命を守るには早期発見が非常に重要な意味を持つということがわかります。さらに自分の身体の状態を調べることで血糖値や血圧、尿たんぱくや骨密度などを知ることができますが、これらの情報から病気の予防のためにどのような対策を講じるべきかを専門医から助言や指導を受けることが出来ます。

過剰に見る者を煽り立てる演出が目立つ健康情報番組や美容や健康面でプラスな情報だけが提示される雑誌などが氾濫していますが、これらの情報を取り入れるよりも医学的な見地から個人個人に合わせた指導を行うことが出来るというメリットが人間ドックにはあります。そして、高齢社会の進行が進むにつれて定年後も経済的な問題だけではなく、自己実現のような積極的な理由から高齢者の方も定年後も仕事を続けたりアクティブに活動する人が増えており、健康に活動できることの重要性が増しています。人間ドックもこれまでの病気の予防や発見からさらに一歩進んで健康づくりやその充実という目的で受診されるようになっています。

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